プーチン・ロシア の政治体制を考えるための2冊+α

ロシアによるウクライナ侵略が始まって70日経った。ウクライナの姿勢や困難には心を寄せないわけにはいかない。しかしロシアの姿勢にはとうてい理解できない。なぜロシアはそのようになるのか、その背景を知りたくて、ここしばらくロシア関連の文献を漁って…

新たなウクライナ戦争論・松里公孝『ウクライナ動乱』書評

松里公孝『ウクライナ動乱』(ちくま新書)2023年 本書評は、研究会の口頭報告を文章化したものである。 Ⅰ. 本書の特徴 松里公孝『ウクライナ動乱』ちくま新書,2023年 実証研究である本書は既存の文献・資料にくわえて、著者によるウクライナ政治の当事者へ…

書評・石田光男/上田眞士『パナソニックのグローバル経営-仕事と報酬のガバナンス』ミネルヴァ書房2022年

[書評] 石田光男・上田眞士編著『パナソニックのグローバル経営-仕事と報酬のガバナンス-』(2022年1月、ミネルヴァ書房) 富田義典 本書の課題はパナソニック社(以下P社)のグローバル経営の構造を明らかにすることである。諸篇は綿密な体系をもって構…

木村汎『プーチン 外交的考察』、青山弘之『ロシアとシリア ウクライナ侵攻の論理』

木村汎『プーチン 外交的考察』藤原書店、2018年、693頁 青山弘之『ロシアとシリア-ウクライナ侵攻の論理』2022年、岩波書店、174+36頁 木村汎『プーチン 外交的考察』2018年、藤原書店、693頁 ずいぶん大部の書物である。木村汎という人には、正論大賞の…

オデッサ・ファイル

いつかは読もうと思ってた。フォーサイス『オデッサ・ファイル』を読んだ。 言うまでもなく、ウクライナ戦争を機にである。恥ずかしながら、このオデッサはウクライナのオデッサ(オデーサ)ではない。このことを読むまでは知らなかった。あの戦艦ポチョムキ…

重工業における生産管理の戦後史を考える一冊

上田修『生産職場の戦後史-戦後日本における重工業の発展と技術者・勤労担当者の取り組み-』 0. 戦後日本の産業発展を象徴するのは自動車産業と電機産業であろう。そしてそれらの先蹤を告げたのは造船業と鉄鋼業である。本書は、造船業と鉄鋼業に焦点を…

40年も積読にしていた明六政変の本

毛利敏彦『明治六年政変』(中公新書) 41年間、積読にしていた毛利敏彦『明治六年政変』を読んだ。 いつかは読もうと思いながら…。面白かった。学会でどんな評価が下されてるかは知らないけども、私の頭にある通説はくつがえされた。岩倉具視使節団は目的も…

ナチスによるチャーチル拉致計画:J.ヒギンズ『鷲は舞い降りた』

とくに冒険小説や推理小説を好んでいるわけではないが、時に読みたくなることがある。昨今の騒然とした世界情勢が働いてのことであろうか、ほんとうに久しぶりにジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた』を再読した。また、先月ヒンギスの訃報に接したこともあ…

プーチン・ロシア の政治体制を考えるための2冊+α

ロシアによるウクライナ侵略が始まって70日経った。ウクライナの姿勢や困難には心を寄せないわけにはいかない。しかしロシアの姿勢にはとうてい理解できない。なぜロシアはそのようになるのか、その背景を知りたくて、ここしばらくロシア関連の文献を漁って…

久しぶりのバルーン

何年ぶりだろう。バルーンを見に行った。今年は、天候に恵まれて、これまでの3日すべて晴天だ。 飛び立つバルーンをみると、心が浮き立つようだ。